今回は、家づくりやリフォームの重要なポイントである「窓選び」の第2弾をお届けします。
以前の記事では、風を効果的に取り込める「すべり出し窓」について詳しくご紹介しました。今回のテーマは、それとは対照的な機能を持つ「FIX窓(フィックス窓)」です。
FIX窓とは、別名「はめ殺し窓」とも呼ばれる、ガラスが枠に固定されていて「開閉できない窓」のことです。
「開かない窓なんて不便じゃない?」と思うかもしれませんが、実は間取り計画において、引き違い窓やすべり出し窓にはない抜群のメリットを持っています。今回は、FIX窓の特徴と、その魅力を活かせるおすすめの設置場所をわかりやすく解説します!
FIX窓のメリット
「開かない」からこそ、一般的な窓に比べて以下のような優れた機能とデザイン性を持っています。
〇 メリット①:圧倒的にスタイリッシュでサイズが豊富
開閉するためのハンドルやフレームがないため、見た目が非常にすっきりしています。小さな正方形から大きなサイズ、スリット状まで、デザインの自由度が非常に高いです。
〇 メリット②:価格が安く、防犯・安全性が高い
構造がシンプルなため、同じ大きさの開閉できる窓に比べて価格がリーズナブルです。また、外から鍵をこじ開けられる心配がなく、小さな子供やペットが誤って転落するリスクもゼロです。
〇 メリット③:気密性が最も高い
隙間が全くないため、住宅の気密性能を落としません。外の騒音を防ぎ、冷暖房の効率をキープするのにも一役かってくれます。
FIX窓のデメリットと注意点
取り入れる前に必ず知っておきたい、FIX窓のデメリットがこちらです。
× デメリット①:外側の掃除が大変な場合がある
室内側からは拭くことができますが、開かないため「室内から手を伸ばして外側を拭く」ことができません。設置する高さや場所によっては、外側を掃除するのが困難になるケースがあります。
× デメリット②:通風・換気ができない
どれだけ大きなFIX窓を設けても風は通りません。「ここはデザイン重視でFIX窓にしよう」と決める際は、部屋全体の風の通り道(入り口と出口)が別で確保できているか、全体の換気計画をしっかりと考えておく必要があります。
FIX窓で失敗しないための「対策」
デメリットである「お掃除問題」をクリアするために、間取りの工夫やお手入れのアイデアを事前に押さえておきましょう。
① 設計時に「手が届く配置」にするか「型ガラス」を選ぶ
高い位置に設置する場合は、バルコニーに面した場所など外から安全に手が届く範囲に配置しましょう。手が届かない場所に配置する場合は、汚れが目立ちにくい「型ガラス(曇りガラス)」を選ぶか、「ある程度は汚れるにまかせる」と割り切る、または「定期的に業者へ清掃を依頼する」といった事前の心構えが必要です。
② あえて「開閉できる窓」にする
「光は取り入れたいけれど、透明ガラスにして青空や景色を眺めたい。でもお掃除が心配…」という場所には、あえてFIX窓ではなく、前回の記事でご紹介した「横すべり出し窓」などを採用するのも手です。室内側から窓を開けて、ガラスの外側を安全に拭き掃除できるようになります。
③ 「柄の長い掃除道具」を活用する
高い場所にある窓でも、市販されている伸縮式の「柄の長い掃除モップ」や「水切りスクイージー」を使用すれば、専門業者に頼まなくてもご自身の手で外側から楽にお手入れができる場合があります。庭や通路から安全に道具を伸ばせるスペースがあるか、事前に確認しておきましょう。
特徴を活かせる!おすすめの設置場所
FIX窓は、「風通し(換気)は必要ないけれど、光を取り入れたい(採光)、または景色を見せたい(眺望)」という場所に最適です。
足元を演出する地窓(玄関・廊下・和室など):
床に近い位置にスタイリッシュなFIX窓を配置する「地窓」は、外からの視線を遮りながら光や景色を取り込めます。暗くなりがちな玄関や廊下では足元に優しい光を届け、和室では座った目線から坪庭や植栽といった美しい庭の眺望を楽しめるなど、落ち着きのある上品な空間作りに最適です。

効率よく光を届ける高窓(ハイサイドライト):
壁の高い位置にFIX窓を設置すれば、周囲からの視線を遮りプライバシーを守りながら、家の奥まで効率よく光を届けることができます。隣家が近い場所や、一日中安定した明るさを確保したい場所におすすめです。

景色を切り取るピクチャーウインドウ(絵画のような窓):
あえて目線の高さにFIX窓を設け、外の庭やシンボルツリーといった植栽を四角い枠で切り取ることで、まるで「一枚の絵画」を飾っているかのように美しい景色を楽しむことができます。

まとめ:適材適所で「明るくおしゃれな家」に!
窓はすべて「開閉できるもの」にする必要はありません。
風を通したい場所には前回の「すべり出し窓」、光を取り入れたり、デザイン性を高めたりしたい場所には今回の「FIX窓」と、役割を分けて配置するのが、失敗しない家づくりのコツです。
「ここは光や景色だけが欲しいな」と思う場所があれば、全体の換気バランスやお掃除のしやすさを確認しながら、ぜひFIX窓を検討してみてください!
